大阪の県民性
日本の都道府県の中で、東京と並んで何かと話題になることが多いのが大阪府です。
大阪は経済的にも非常に繁栄しており、文化的にも独特なものを持っています。
また、大阪府民にも他の県民とは違った特徴があります。
そこで、今回は大阪の県民性について取り上げていきたいと思います。
商人の街、大阪
大阪の県民性について考える場合に絶対に抑えておかなければならないのが、大阪が歴史的に「商人の街」であったということです。
商人の街としての大阪は、非常に長い歴史を持っています。
奈良時代には難波京として大和の外港として栄え、平安時代には平安京の外港にもなりました。
そして、中世に入ってからも石山本願寺の門前町として栄え、秀吉の時代にも堺商人が活躍しました。
さらに、江戸時代に入ってからも天下の台所としての地位を確立し、名実共に日本一の商都として繁栄を続けました。
お金にシビアな面も
大阪は過去の歴史を通じて「商人の街」であったことは現在の県民性にも非常に大きな影響を与えています。
例えば大阪の県民性の1つとして、シビアな金銭感覚を持っているという点が挙げられます。
具体的には、
「安くて良いものを重視する」
「良いものであれば高くても買う」
「高いと思ったら値切る」
「無駄遣いはしない」
といった特徴です。
例えばある調査では、電化製品の購入時に値切るかどうかという質問に対して、東京人が26%しか「はい」と回答しなかったのに対して、大阪人は41%も値切ると回答しています。
この様な県民性は「ケチ」と言われることもありますが、大阪全体の経済が現在のような繁栄を築いていることを考えれば、お金の使い方に厳しいのが大阪人なのだと言った方が正しいでしょう。
お笑いのセンスが高い
テレビなどでも度々取り上げられていますが、大阪人というのは他の県の人と比べて全体的にお笑いのセンスが高い傾向にあります。
その最も分かりやすい例が、会話における「ボケ」と「ツッコミ」の役割です。
「ボケ」と「ツッコミ」と言えば、一般的にはお笑い(特に漫才)におけるテクニックだと考えられていますが、大阪人はこれを日常会話の中でごく自然に行っています。
大阪人同士の会話について、「普通に話しているのに漫才みたいに聞こえる」と言われることがありますが、それもこの「ボケ」と「ツッコミ」の役割が影響しているのです。
大阪人のお笑いのセンスが高いことの背景には、大阪が歴史的に数々の笑い(落語・漫才・漫談など)の中心地であったことが影響していると考えられます。
また、現在でも関西ローカルでのみ放送している漫才番組(またはお笑い番組)が数多く存在していることもこのような県民性を作る一因になっている考えられます。
人の話に「オチ」を求めるのも、こうした県民性から来ていることだと言えます。
アホはOK、バカはNG
大阪人が頻繁に使う言葉の1つに「アホ」というフレーズがあります。
これは主に友人間で使われる言葉なのですが、他県の人が「アホ」と言う場合と違って、大阪人が「アホ」と言う場合には、そこに侮蔑的な意味は含まれていません。
大阪人が使う「アホ」は、あくまでも「笑える」「面白い」「くだらない」といった意味なのです。
一方で、大阪人は「バカ」と言うフレーズに対しては侮蔑的な意味に受け止めます。
ですので、他県の人間が自分たちの感覚で「バカ」という言葉を使ってしまうと、気付かない内に相手を侮蔑することになる危険性があります。